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福祉教育とは何か

福祉教育とは何か

「福祉」とは特別なもののように思えますが、一言でいえば「みんなが幸せに暮らしていくこと」です。つまり、私たち一人一人が幸せに暮らしていけるよう、他の人から支えてもらいながら、また一緒に支え合って生きていくことが「福祉」といえるでしょう。
福祉教育は、学習素材として「社会福祉問題」を取り上げることが大切です。社会福祉は身近な日常の問題であるとともに、差別や排除の対象として切り捨てられてきた歴史と現実を含むものです。つまり、「社会福祉問題」とは人の幸せを阻害するモノやコトを意味します。人の幸せを阻害するモノやコトは何なのかに気づき、それを軽減したり、取り除いたりするためにはどうすればよいのか。そのことを考え、実際に行動するための力を育むことが福祉教育の意義です。アプローチとしての福祉教育
一方で、学校現場では様々な教育実践が求められています(例:道徳教育、人権・同和教育、環境教育、平和教育、いじめ防止教育、消費者教育など)。これらの教育は、福祉教育とは別のものということではなく、「本当の人間らしさとは何か」を追求する「人間教育」の営みで、本質的には福祉教育と深いかかわりをもっています。そこで、右図のようにそれぞれの教科・領域や実践を並列的に扱うのではなく、相互補完的にそれらと組み合わせていくことが福祉教育では不可欠です。つまり、福祉教育は他の教育実践と共存することにより、広く人間教育に資することが期待されます。